◆各クレーンたちの出番◆

たとえば。 50トンラフタークレーンって?


「50トン」の意味

 

通称「50トンラフター」、正しくはホイールクレーンの仲間である「ラフテレーンクレーン」です。

 

例えばこの「50トンラフター」、

 

「50トン」を吊ることができるよ!ということです!(そのまんまですが^^)

クレーンの吊る力が一番強いとき、クレーンが吊り上げることのできる最大の質量が「50トン」。

「最大吊上能力 50トン」、「つり上げ荷重 50トン」と表されます。(※この「50トン」は吊り具の質量も含んでいます)

 

 

この「クレーンの力が一番強いとき」というのは、

 

・アウトリガーが最大に張り出されている状態

かつ

・ジブ(ブーム)の長さが最も短い状態

かつ

・ジブ(ブーム)を最も起こした状態

 

のとき、1通り!

(私たちも重いものを持つときは体に近づけて抱え込むようにして持ちますよね!

体の中心に一番近い所が一番力が入って楽ですもんね。)


 




 

 

「50トンラフター」どこまでいける?

先ほどはいわゆる「重さ」を重視しましたが・・・

今度はいわゆる「距離」(「作業半径」を考えています)を重視してみましょう!

 

(高さは除いて考えたとして)どこまで遠くで吊れるものなのか…

一番遠いということはクレーンの力が一番弱いとき。なので吊り上げることのできる質量は最小となります。

 

・もちろん!アウトリガーは最大張出!

・ジブ(メインブーム)39m、補助ジブ(ジブ、「ヒマゴ」)14.5mを最大に伸ばして

・ジブ(メインブーム)を傾斜角47度まで倒して、補助ジブ(ジブ、「ヒマゴ」)も最大の45度まで倒すと・・・

 

作業半径で40mまで、230kgの質量の荷物を吊ることができるのです・・・!

 

 

 


 

 

 

 

「〇トンクレーンでできること」 






「〇トンクレーンでは〇〇作業が可能です」と一概に言うのはなかなか難しいもの。

 







一般的に…

 

・22トン以上のクレーンが重量物の揚重作業で活躍したり、

・13トンか、10トンのクレーンで 大抵一戸建住宅の建方をやったり、、

 

と主に使われているクレーンでアバウトに言うことはできても言い切れないのです・・・。

 

 

それは例えば、一戸建ての建方でも、セットするスペースがなくて距離があるからと25トンでやることもあったりするからです。

現場の状況次第なので、作業内容だけでクレーンのトン数を決めることはできないのです。

 

 

  

また、先述の「50トンクレーンは一番力が強い時に50トン吊れる」というおはなし…

こんなケース、現場では有り得ません・・・><

(トラックからの荷どりすらできない…)

 狭い場所でクレーンセットとなれば、アウトリガーの張り出しを調整しなくちゃいけないし、

軽ものでもクレーンから距離があるなら ジブ(ブーム)を伸ばしたり倒さなくちゃいけない。

 

なので、「50トンクレーンなんだから40トン前後なんていけるだろう」なんていう考えはちょっとやめて、、、

まず状況を見て、

そして様々な状況によって吊れる力が他のクレーンに比べどれだけ大きいか小さいか、と考えるようにしましょう。

 

 

 

あと…最後に。

「大きいから・能力がいいから、良い」「小さいから・能力が低いから、だめ」なわけでは決してありません。

地盤やスペースなど現場に応じてその時に一番安全に作業できるクレーンを選ばなければならないので

その時その時によって「良い」クレーンは違うのです☆

各クレーンの特徴・特長を活かしながら、 オペレーターの熟練技によってクレーン作業は成し得るのです・・・!